(左)同社ガイドスケジュール(右)余市岳ツアーの様子
1878年創業の歴史ある北海道を代表する老舗ガイドカンパニーです。札幌をベースとして北海道全域で登山、クライミング、アイスクライミングなど幅広いアウトドア関連のガイドツアーを開催しています。バックカントリースキーでは一地域に限定せず、広大な北海道の様々な地域で、様々なツアーを企画してることが同社の魅力と言えます(例:札幌近郊、ニセコ、旭岳等々)。また同社は会員制でありツアー参加の事前に会員になる必要があります(年会費:1000円、ツアースケジュールをPDFで閲覧する場合は無料)。
北海道を知り尽くした老舗であり、滑走エリアの選定力は抜群です。ツアー参加者はリピーターが多く、全体的にレベルが高い印象があります。 同社WEBサイトで募集されている各コースではレベル分けがされていますが、他のツアー会社に比べて、求められているレベルが高いと言えるかもしれません。 同社はBCビギナーコースやレッスンも開催していますので、自分がどの程度のレベルなのかはっきりわからない方は一度これらのエントリーコースに参加されることをお勧めします。 ツアーの事前には計画書等も送付されてきて、専門性の高さを感じさせてくれます。
国際山岳ガイドであり、北海道山岳ガイド協会理事長の宮下岳夫氏を筆頭に、メインガイドとしてスキーガイドステージⅡの資格を持つ、小田克大氏(スノーボード)、佐藤佑氏(スキー)の2名、サポートガイドの永谷有基氏の4名体制となっています。小田氏、佐藤氏ともリピーターの信多い信頼の厚い人気ガイドです。
(左)永谷氏のパウダーラン(右)事前送付のツアー予定表
今回は2019年2月5日に開催された「余市岳ツアー」に参加しましたので、その様子をレポートします。余市岳は赤井川村と札幌にまたがる標高1488mの札幌市最高峰の山であり、キロロスキー場が隣接しています。 当日は天候の事情により、余市岳への登攀は断念し、同岳南側の標高1218mの山を目指すこととなりました。
(左上)マウンテンラウンジ(左下)美しい景色の中を登行
(右)最高のパウダーの中次々ドロップインする参加者
8:30
キロロマウンテンクラブに集合。
8:40-8:50
当日狙うエリアの説明を兼ねたミィーティング。代表での登山計画書提出、キロカ登録、施設利用料の支払い。
9:00-9:10
ビーコンチェック後、長峰第1エクスプレス(リフト)に乗車し余市エリアへ。
9:15-10:20
844m地点より余市岳南側の「名の無い山(1218m)」の斜面を目指し移動開始。数分のトラバースの後、シールを貼りハイクアップへ移行(標高差250m程度、約1時間)。
10:20-10:25
1回目の滑走。最高のパウダーコンディションの中、ガイドに続きドロップイン。
10:30-11:40
約1時間の2回目のハイクアップの後、2回目の滑走。
(左)ツアー参加者の華麗なパウダーターン
(右上)ビッグなスプレー!(右下)走るパウダースノー
11:45-12:40
更に3回目のハイクアップの後(約50分)、3回目の滑走。
12:40-12:50
最後のハイクアップ&滑走に向け歩行モードへの切り替え、つかの間の休憩。
12:50-14:10
約1時間20分の最後のハイクアップ。4回目のハイクアップは経験の浅い参加者には厳しい様子。
14:20-14:30
4回目の滑走。ラストの滑走でありピーク近くまで登っての滑走。オープンバーン&ノートラックに参加者一同大興奮。ハイクアップの苦労も忘れる瞬間。
14:30-15:00
滑走終了ポイントよりトラバース&シール歩行にて長峰第2リフトを目指す。
15:10-15:25
キロロスキー場ゲレンデを滑りマウンテンセンターへ移動。
15:30
同スキー場にて解散(ノマド社のバンで札幌より参加の方は途中温泉に立ち寄り、18:30頃札幌に解散)。
今回のツアーは約6時間(同社基準でレベル3、中級)でしたが、その内約4時間半がシールによる登攀・移動であり、 今回のレポーター(スキーSAJ1級、BC経験5回)にはハイクアップの負担が大きく、他のツアー参加者についていくのが精一杯の状況でした。 当日は幸運にもテールガイドが参加しており、その方に多くのサポートを頂く結果となってしまいました。厳しめのツアーではありましたが滑走場所の選定は最高であり、 「さすが!」と思わせてくれるものでした。当日は想像以上に雪質も良くオーバーヘッドのパウダーを満喫することが出来ました。登りは厳しい分最高の滑走を楽しめました。 冒頭の感想でも述べておりますが、同社ツアーに参加する場合は自分のレベルをしっかりと見極めて参加することをお勧めします(結果としてリピーターの他の参加者の方に迷惑をかけてしまいます)。